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繰り返されるメディアの炎上!WELQ問題の根源とは

コンテンツマーケティング

かつて、これほどウェブメディアに関する話題がテレビで取り上げられることはあったでしょうか? ウェブメディア関係者の皆さまは、いつか燃えると思っていたものが、ついに燃えた、という印象だと思いますが、今回の炎上がいつもの炎上よりも火力が強いのは、命にかかわる健康情報を、野球球団を保有している有名IT企業 DeNA がニセ情報を流していたことが原因でしょう。なぜ、そんなことをしたのか? 「儲かるから」というほかない。

 

繰り返されるメディアの炎上!WELQ問題の根源とは

 

儲かるキュレーションメディア

どうしたら儲かるキュレーションメディアを作り出せるのか?答えは、PV を稼げばいい。バズる記事を書いて、ウェブ検索で上位表示される記事を書いて、PV を上げる、トラフィック量を増やす。数百万 PV を越えてしまえば、あとは、広告収入でも、アフィリエイトでも、儲けられる。

ショッピングモールと同じ構造です。人が集まるショッピングモールを作ってしまえば、あとは、モールに出店する店舗からのテナント収益でも、そのテナントのモール内での広告掲載でも儲けられる。

 

繰り返される炎上

とにかく PV を増やせば儲けられるとなると、あとはいかにメディアの記事がバズるか、もしくはウェブ検索で上位表示されるようにするか。バズる記事は、かつて隆盛を極めた「バイラルメディア」でよく作られていました。バイラルメディアは、勝手に他人の面白いネタや画像を盗用して、自分たちのメディアで掲載、PV を稼いでいました。そして、著作権問題で炎上して消えていきました。BUZZNEWS がパクり問題で炎上したのは、2014年の出来事です。BUZZNEWS 問題後、多くのバイラルメディアが閉鎖していきました。

WELQ 問題は、あの BUZZNEWS 問題から、わずか2年。問題の根本としては同じこと。PV を増やすアプローチ手法が違うだけです。

今、Google 検索で上位表示されるには、ざっくりというとコンテンツの質が高いことが条件となっていて、以下のようなことが求められています。(他にも条件は色々とあります)

・コンテンツがオリジナルである
・コンテンツの内容が厚い
・ソーシャルメディアでシェアされている

つまり、オリジナルで、内容がしっかりしていて (コンテンツの量の問題であって、コンテンツの真偽を問うものではない) 、Facebook や Twitter でシェアされる記事を、量産すれば、PV が稼げる。

キュレーションメディア問題は、メディアを上位表示させるためにコンテンツを大量生産し、その生産されたコンテンツに虚偽の情報が含まれていたことやオリジナルではないものが含まれていたことにあります。

とにかく “オリジナル” の記事を量産する、しかも収益を上げるために、記事単価を安くするしかない。記事単価を抑えるためには、クラウドソーシングなどを使い、医療知識に乏しい素人ライターに記事を書かせる。当然、専門知識がない、さらに安い仕事なので、一部のライターは「適当にパクって書く (いわゆるリライト) 」もしくは「適当に書く (肩こりは幽霊が原因とか家系ラーメンが風邪に効くとか) 」ことになります。

ともあれ、2014 年に炎上したバイラルメディアも、2016 年に絶賛炎上中のキュレーションメディアも、カネを稼ぐために、つまりはPV を稼ぐために、社会通念上、許されない (場合によっては、法的にも許されない) 行為に及んでしまいました。

 

PV至上主義から抜け出す

今回の WELQ を発端にしたキュレーションメディア問題、そしてバイラルメディア問題の根源には、メディアのあり方にも問題があると思っています。その問題とは、PV が稼げないと収益が上がらず、事業として成り立たないという現代ウェブメディアのあり方、収益構造です。「PV 至上主義」とでも呼びましょうか。この PV 至上主義の世界から抜け出さないことには、WELQ 問題のようなことが、また数年後には再発するはずです。もはや、ウェブメディアはマネタイズの方法を変えることを考えるべきかもしれません。

前提として「良質なコンテンツ = PV がある」とは限らないという認識が必要でしょう。たとえば、あなたが読んでいるこの記事 (良質かどうかは置いておいて) は、おそらくウェブメディア業界関係者や広告関係者以外には刺さらないでしょう。狙っているターゲットが狭いので、きっとPV 数は数十万 PV にはならないはずです。それでも、狙ったターゲットには深く刺さる記事になっています。ある特定層の人には深く刺さるが、万人受けしない記事は、良質なコンテンツとは言えないでしょうか?

さらに「コミュニティ化」もひとつのマネタイズ方法になるかもしれません。たとえば、私たちが運営しているビール好き女性をターゲットとしたウェブメディア「ビール女子」  は、コミュニティが収益を生んでいます。良質なコンテンツで集まった特定層の読者とオンライン・オフライン問わずコミュニケーションを取ることで “ビール女子コミュニティ” を形成し、企業とのタイアップの実現、収益化を行っています。具体的には、アンバサダープロモーションが、その一つです。コミュニティのメンバーをオフラインイベントに招待し、企業のアンバサダーとして活動していただいています。これは、「ビール女子」が単なる情報発信だけをする存在ではなく、普段からイベントなどでリアルな場でコミュニケーションをしているコミュニティだからこそできるタイアップだと思っています。

メディア側はもちろん、広告主側も、意識変革が必要となります。PV 至上主義は、マスメディア的な広告をウェブメディアに求めてきたことも原因のひとつにあると思っています。しかし、デジタルマーケティングのメリットは、マスメディアと異なり、ターゲットを絞って訴求できることにあります。ウェブメディアは「特定のユーザー層と深いコミュケーションが取れる」広告媒体であるという認識を広告主側も持つことによって、ウェブメディア業界が PV 至上主義から抜け出し、消費者にとっても、広告主にとっても、魅力的で価値あるコンテンツの発信ができるように変わっていくのではないかと思います。


京橋ファクトリー管理者

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