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京橋ブログ

AI時代に求められる人材スキルは、トップ&ミドル層に求められる2つのスキルと同じだよねという話

経営・マネジメント

先日、ご縁あってMindtechとAI TOKYO LAB & Coが主催しているプログラムに参加してきました。

今回のプログラムはAI人材の育成という目的のもと、基礎編として現在のAI市場や今後30年の動向の話を中心に勉強会やワークショップを交えつつ理解を深めるという内容でした。
その中で私が気になったのは『人口知能が活躍する時代におけるAIと人間の住み分け』から考える、AI時代に求められる人材スキルというテーマです。今後世の中で必要とされる人材になるには、どのようなスキルが求められるようになるでしょうか。

AI時代に求められる人材スキルは「創造性」と「コミュニケーション」

まず、人口知能が活躍する時代におけるAIと人間の住み分けという観点からいうと、AIはすでにあるものの改善や最適化を行うものであり、原則は0からの創造はできないというのが現在の見方であり、それゆえ同じようなルーチン業務やマニュアルのある仕事はAIに置き換えられるというのが大枠の見解です。

つまり「単純作業しかできない人材はタスクを奪われていくよ」という話で、具体的には2014年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が論文などでも書いているように、銀行の融資担当者、給与・福利厚生担当者などの多くの仕事、(厳密には「仕事」ではなく「タスク」)はAIに置き換えられると言われています。

そのため、これから先の求められる人材スキルとして人間しかできないことである「創造性」や「コミュニケーション」といった能力が重要視されてきます。
つまり、AIの出来ないこと(コミュニケーション)をやるか、AIの仕事をつくるか(創造)がこれからの人間の仕事になっていく、というわけです。

この話を聞いたとき私は、ロバート・カッツの3つのスキルモデルが思い浮かびました。
ロバート・カッツの3つのスキルモデル(カッツモデルまたはカッツ理論)はハーバード大学の教授ロバート・カッツ氏が1974年に『ハーバード・ビジネス・レビュー』に寄稿した「Skills of an Effective Administrator」の中で、マネージャーに求められる能力をまとめた理論です。
マネージャーに求められる能力をテクニカルスキル(業務遂行能力)ヒューマンスキル(対人関係能力)コンセプチュアルスキル(概念化能力)の3つに分類し、トップマネジメント(経営層)、ミドルマネジメント(幹部層)、ローワーマネジメント(リーダー層)において必要なスキルを説いています。

カッツモデルの3つのスキル

簡単に3つのモデルを以下に説明します。

model 1.テクニカルスキル

業務をこなすための専門性

業務を遂行する上で必要な能力であり、専門知識、その専門分野における分析能力やおよび特定の分野のツールとテクニックを使用する能力です。
3つのスキルのうち、テクニカルスキルは最も明確で具体的なスキルであると言えます。
テクニカルスキル=現場で活用するスキル、と言い換えることもできます。

2.ヒューマンスキル

コミュニケーションで仕事を円滑に進める力

ヒューマンスキルは人間関係を良好に保つために必要な能力です。
チームを協調的にすることで、グループメンバーを効果的に働かせる力、個人や集団を導く能力で、組織の業務が円滑に遂行されるよう、チームを導く力とも言えます。
・意思決定の時だけでなく、毎日の行動においても感度を伴う
・他者との仕事におけるヒューマンスキルは、自然で連続的な活動にならなければならない
・部下やチームメンバーが非難や嘲笑を恐れることなく自由に自分自身を表現することができる承認と安全の雰囲気を作り出す
といった点がロバート・カッツ氏の原文で具体的に挙げられています。

言い換えると、雰囲気や相手の気持ちへの感受性を必要とする、まさに「人間力」のスキルです。

3.コンセプチュアルスキル

本質を見極める創造の起源

コンセプチュアルスキルは概念化能力、起こる事柄や状況などの抽象的な現象を構造的、概念的に捉え整理し全体像を把握する能力です。
抽象的な要素を見極めて本質を見抜き、それを定義化、概念化できる力です。

これは、散らばった要素を整理し、本質を見極めことで、
・抽象的なものに意味を与え、概念化する
・本質を捉えた新しい商品/サービスとしてアウトプットする
といった創造的活動を行う力であるとも言えます。

まさに「創造」のプロセスに必要とされるスキルです。

結論:AI時代に求められるスキル=トップマネジメント、ミドルマネジメントに求められるスキルと同じ

こうして3つのモデルを見てみると、AI時代に求められる人材スキルである「創造性」「コミュニケーション」は、「コンセプチュアルスキル」「ヒューマンスキル」と言い換えられるのではないかと思いました。

model2

また、講義の中で「AIに置き換えるのに向いている業務を考える際にはどのような観点があるか」という質問をAI TOKYO LAB & Coの北尾さんにしてみたところ、回答として、「 ①属人的に人がやっていること(職人の仕事のような)、もしくは、 ②マニュアルがあること」という返答でした。
その点については逆に、テクニカルスキルと合致するので、AI時代に必要な人材スキルを考える際にはカッツモデルに当てはめて考えるとよく理解ができるのではと感じた次第です。

ただどこの会社も、例えば社員に「創造的になれ」と言っても、誰しもがすぐにそのようになることができるわけではないですし、そのあたりをどう磨いていくか、発掘していくかはここ30年先の人材スキルを考える際のポイントとして、人材の採用、教育に少しでも関わる人、また自分自身のスキルアップを目指す人は、今からきちんと考えておく必要があると思います。


八木太亮

八木太亮

株式会社京橋ファクトリー代表取締役。1985年静岡県生まれ。新卒にてリコーグループにてITソリューションの法人営業を担当。退職後に左利きギター特化のECサイト立ち上げ、米クラウドファンディングkickstarterにてPCガジェットブランド『NINJAEFFECTS』の企画で10000ドルの資金調達を実施。 2013年よりウェブメディア『ビール女子』のウェブマガジン立ち上げと平行して、株式会社京橋ファクトリーを設立。

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