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13才からのビジネスモデルと競争戦略:モノをサービス化する『アズ・ア・サービス』モデル

戦略・ビジネスモデル

こんにちは京橋ファクトリーの八木です。

私ごとで恐縮ですが最近息子が生まれまして、彼が13歳くらいになって「おいら起業するぜ」などと言いだしたらどうしたものか、と妄想しております。

もしそうなったら、その際には13歳とはいえど最低限のビジネスモデルや競争戦略は理解しておく必要があるであろう、ということでビジネスモデルや起業の競争戦略に関する情報をまとめていくことにします。
(まさに今も0歳児の息子は隣の部屋で夜泣き中です。)

この記事ではビジネスモデルや競争戦略について整理し、できる限り直感的に理解できるように、また自身の備忘録としてあとで眺めて、そのモデルを思い出しすぐに活用したり着想のヒントになるようにまとめていきたいと思います。

13歳からのビジネスモデルと競争戦略初回である今回は、今枝昌宏氏 著『ビジネスモデルの教科書 上級編)』を参考に「アズ・ア・サービス」のモデルについてまとめます。

アズ・ア・サービスってなんだ

アズ・ア・サービス(as a Service)とは製品機能のサービス化のことです。メーカーとして提供していた「製品」としての価値から「サービス」の価値として提供するモデルです。アズ・ア・サービスとは

アズ・ア・サービスは、主に製造業が製品の販売から製品機能のサービスとしての提供へと提供する価値を変更し、顧客のコストダウンを図るとともに製品販売に関する競合との製品競争から離脱し、収益性の向上を目指すビジネスモデルです。
アズ・ア・サービスは、「サービスとして」という意味であり、従来の製品機能をサービスとして提供することを言います。
今枝昌宏 著『ビジネスモデルの教科書 上級編)』より

最近だと、Google AppsやSalesforceといったSaas(サース:Software as a Service)が普及しているので、この言葉のほうが馴染みがあるかもしれません。

ソフトウェアの場合は製品として販売していたソフトをクラウドコンピューティング化するぜ、という話なのでわかりやすいのですが、それ以外の業種の場合、アズ・ア・サービスとはどういうケースがあるのでしょうか。以下事例で解説していきたいと思います。

アズ・ア・サービスのビジネスモデル例

以下に3つの事例を挙げてみます。

1.アズ・ア・サービスモデルの老舗、複写機業界(リコー、富士ゼロックス、キャノンほか)

アズ・ア・サービスは、前職で複写機の業界にいた私には非常に馴染みのあるモデルです。
オフィス複写機はマシンの本体自体を販売し、消耗品であるトナーをランニング収益として販売する、いわば、自動車業界に例えると”車を売りながらガソリンも売る”ようなビジネスモデルですが、実はそれら製品を売ることに加えて保守(メンテナンス+修理対応)のサービスも販売しています。アズ・ア・サービ事例

最初、前職のこの複写機業界に入った時は、「なぜ買った商品なのに月額費用を請求するの」と不思議に思ったものですが、その理由は月額費用で保守サービスを提供するという契約を結んでいるからです。これによって純粋なモノの販売から、保守メンテナンスの提供による継続的なサービス契約というアズ・ア・サービスの価値に昇華されます。コピー機の場合は、本体が月額リースでの契約になることもこのモデルを組み込みやすい理由です。

複写機の所有権をメーカーや代理店に留保し、導入後も保守(メンテナンスと不具合対応)サービスがマストで付属され毎月使用枚数に応じて課金がされる契約体型をとることで製品の売り切りでないモデルを実現しています。

2.メニコンのメルスプラン

コンタクトレンズメーカーであるメニコンが提供するアズ・ア・サービスモデル。月々の定額制で破損、紛失などの保証がついたサービスで度数の違うレンズへの交換も行ってくれるサービスです。

アズ・ア・サービスの事例

これもコンタクトレンズを製品ではなく、コンタクトレンズを使用する毎日の保証をサービスとして提供している事例です。

3.ファッションレンタルサービス(エアクローゼット、メチャカリ、ラクサスほか)

最近増えてきているファッションレンタルサービスも毎月定額料金を支払うことで、洋服やアクセサリーなどが借り放題になるサービスモデルです。

アズ・ア・サービスの事例

こちらもコンタクトレンズ同様、服を売るのではなく、服を着まわすという価値をサービスとして提供しています。

アズ・ア・サービスモデルのポイント

アズ・ア・サービスの導入にはどのようなメリット、デメリットがあるかを以下に挙げてみます。

アズ・ア・サービスのメリット

・確実な継続的収益の確保。
・商品のスイッチング(他社への買い替え)リスクがなくなる。
・モノの販売に加えて、保守需要の確実な獲得。
・顧客の使用状況をデータとして取得できる。

アズ・ア・サービスのデメリット

・モノ自体を別費用で販売しない場合、販売に比べて初期の一時的な売り上げは少なくなる。

ソフトウェアについては、ソフトの製品を販売する代わりにSaasにしてクラウドコンピューティング化するという形で「サービス化」がわかりやすいです。

一方でこれまでのモノのあるメーカーが提供する製品に関して言うと、商流の問題、またデータ取得ができないことなどからあまり採用されてこなかったと考えられますが、ウェブ技術やIotの発達で顧客のデータ取得が可能になり、ますますこのアズ・ア・サービス化が進んでいくと思われます。

また、toCに関してはウェブでのクレジット決済が普及したことで、継続的にtoCからも課金ができるようになってきているので、アズ・ア・サービスという観点でいうとまだまだビジネスプランは考えらえれる気がします。

アズ・ア・サービスが最適なケース

このモデルを適用できるケースはどんなモノがあるか考えてみると、
・toBの場合は故障時に業務が止まってしまうような保守の重要性が高い製品
・toCの場合は月の消費の中で一定の金額を支払っているもので消費財ではないもの、または紛失破損リスクが高い、なくなると困るもの
などは相性がよいのだろうなと思いました。

 

以上、今回はモノのサービス化『アズ・ア・サービス』についてまとめました。

この調子で息子が13歳になった時のために、ビジネスモデルや戦略を書き貯めていこうと思います。 もしお子さんが「おいら起業するぜ」と言い出した際に是非参考になれば幸いです。


八木太亮

八木太亮

株式会社京橋ファクトリー代表取締役。1985年静岡県生まれ。新卒にてリコーグループにてITソリューションの法人営業を担当。退職後に左利きギター特化のECサイト立ち上げ、米クラウドファンディングkickstarterにてPCガジェットブランド『NINJAEFFECTS』の企画で10000ドルの資金調達を実施。 2013年よりウェブメディア『ビール女子』のウェブマガジン立ち上げと平行して、株式会社京橋ファクトリーを設立。

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