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オウンドメディアのコモディティ化とユーザー体験による差別化を考える

コンテンツマーケティング

こんにちは。京橋ファクトリーの八木です。
 

最近は猫も杓子もコンテンツマーケティング…ということで、ウェブメディアやオウンドメディアの流行をひしひしと感じております。
実際、googleトレンド上では「オウンドメディア」や「コンテンツマーケティング」という言葉は2012年以降、右肩上がりで増加傾向。そこからもコンテンツでのマーケティングへの関心の高さを伺うことができます。
 

一方で、このコンテンツマーケティングの流れは今後どうなっていくのでしょうか。
ウェブメディアを運営している自社の立場から、オウンドメディアの将来について考えてみたいと思います。

 

コンテンツによる3つの集客手法

 
コンテンツマーケティングとは、ウェブ上でコンテンツで集客する手法。そのための手法としては大きく分けて3つの目的があります。

 

1:コンテンツによるSEO強化、検索エンジンからの集客

 

1つ目はコンテンツのSEO対策による検索流入です。googleの度重なるアップデートにより検索エンジンのアルゴリズムは以前のような被リンクを活用したSEO対策から、良質なコンテンツが検索上位に上がるというアルゴリズムに変化しています。
その傾向を踏まえ、良質で読者に役立つコンテンツや情報をウェブページ上にアップしていく手法です。

良質なコンテンツで、読者にしっかり読まれれば、検索上位にとどまる傾向があります。

 

なお一見、本質的なようですがこのアルゴリズムも逆手に取ることが可能です。

例えば先日のwelqをはじめとするキュレーションメディアの炎上は、良質なコンテンツとして評価されるアルゴリズムを逆手に取り、本来のコンテンツのあり方を無視してでもアルゴリズムをハックするという方針でコンテンツを量産したことで起きた事件とも言えます。

 

2:バズによる拡散、SNS(ソーシャル)からの集客

 
2つ目は企画記事によるFacebook、Twitter、はてなブックマークなどのソーシャルメディアでのシェア拡散による集客です。
いわゆるバズらせて多くの人の目に触れさせることでトラフィックを集めます。スマホとSNSアカウントが一人1台〜の現代ではソーシャルメディアとの相性のよいコンテンツは消費者の力によって拡散されます。

 

なお、このシェア拡散は集中したアクセスを発生させるので、そのコンテンツが良質なものであれば、1で述べたSEOの検索順位にも影響を持ち、検索順位を引き上げることにもつながります。(なお私自身、以前は「ソーシャルメディアからの流入はnofollow=被リンクとしてカウントされないから、意味がないのではないか?」などど考えていたのですが、2009年にページランクによるアルゴリズムがなくなっているため、現在はSNSでトラフィックを増大させること自体がトリガーとなって検索への良い影響を及ぼす可能性があります。バズったブログが翌日にすぐ検索上位に上がるのはこのためです。)

 

3:ファン化、ベンチマーク(お気に入り)による集客

 
3つ目の集客手法は純粋に読者がファンやリピーターとなってくれるようなオリジナルコンテンツをつくることで、継続愛読ユーザーを育てるというものです。
RSSやブラウザのブックマークにいれて継続的に読みに来てくれるコンテンツを展開します。ユーザーにとって面白い、ベンチマークしたいメディアを作るということなので、メディアの本質的手法とも言えます。

 

コモディティ化するコンテンツマーケティング

 
さて、上記で3つの集客手段について書きましたが、似たようなコンテンツマーケティングがこのまま増え続けると、どんなこことがおきるでしょうか。

 

まず1つ目の手法であるSEO強化、検索エンジンからの集客狙いのオウンドメディアが増えたとします。
検索エンジン上位、もう少し具体的に書くとgoogle1ページ目には10サイトしか掲載されません。そのため、同じ商材たとえば「ワイン つまみ」でワインや関連食材の商品を売りたい企業10社がオウンドメディアをはじめたらどうなるのか。

 

コンテンツマーケティングで結果を出すためには、限られた10件の検索順位を巡ってコンテンツを増やし続けることになります。検索順位でいうと競合は同業他社だけではなくwikipediaやcookpadも含まれます。
それらのサイトと戦いながら上位を取り続けることは簡単ではありません。どんなビジネスやマーケティング手法でもそうだと言ってしまえばそれまでなのですが、検索エンジン対策だけのコンテンツマーケティングはそもそもが相対的な戦いなので、参入企業が増えれば増えるほど競合性が厳しくなり、かつての被リンクのようなSEO合戦に発展します。

 

では、2つめのバズによる拡散、SNS(ソーシャル)からの集客ではどうでしょうか。
 
こちらはオリジナリティの勝負になるので、そこまで検索エンジン対策ほど相対的なものではないものの、常に面白い企画でホームランを狙い続ける必要があります。
オリジナリティのある企画コンテンツもあまりに同じようなものだとユーザーは既視感を覚え、飽きられてしまう可能性があります。そのためコンテンツ作成の一部のエース級プレイヤーしかこの手法を続けることができないのではないかと考えます。これは企業がマーケティングで活用するにはかなり難易度が高いといえます。

 

コンテンツマーケティングから”ユーザー体験”を提供する『コミュニティ体験』へ

 

最後、3つ目の手法であるファンやリピーターを獲得する、という手法ではどうでしょうか。

 

我々が運用しているメディア『ビール女子』などの媒体では、実はこの手法を重点戦略として主軸を置いています。

いちコンテンツからの一見さん的流入から、ファンに変えていく導線を用意することで、確実に継続読者や媒体のファンを増やしていく手法です。

 

この手法で大切にしていることは、ユーザーに提供する価値として、媒体を読むものとして捉えるだけでなくユーザーの体験の場として定期的なユーザー向けリアルイベントや、参加型の企画リアルイベントを交えながら、コミュニケーションの深度を深めていくという点です。

媒体はあくまで「きっかけ」であり、読み物としての『メディア』だけではなく所属意識のある『コミュニティ』としてユーザーに提供をしていきます。

継続することで、参加してくれたファン読者は”アンバサダー”として媒体の当事者、もしくは応援者になり積極的に情報を拡散してくれます。それによって、この手法がさらに有効な手段になります。

 

これからますます増えるウェブメディアとの差別化を図るためには、オリジナルなコンテンツはもちろん、媒体の読者とのより深いコミュニケーションが重要であり、メディアへの所属意識を育てることが大切になってくるのではと考えます。


八木太亮

八木太亮

株式会社京橋ファクトリー代表取締役。1985年静岡県生まれ。新卒にてリコーグループにてITソリューションの法人営業を担当。退職後に左利きギター特化のECサイト立ち上げ、米クラウドファンディングkickstarterにてPCガジェットブランド『NINJAEFFECTS』の企画で10000ドルの資金調達を実施。 2013年よりウェブメディア『ビール女子』のウェブマガジン立ち上げと平行して、株式会社京橋ファクトリーを設立。

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